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2014年12月 5日 (金)

かがくカフェ 「漆のかがく」報告

かがくカフェ 「漆のかがく」報告です。
 11月24日(月) 10:30~12:00
 京都漆器青年会 佐藤貴彦氏(株式会社佐藤喜代松商店社長)に、 漆のサイエンスについて講演していただきました。また、午後からは、漆絵・蒔絵体験の実習を若い漆職人の方と一緒に指導していただきました。参加者は午前中10人、午後22人でした。
 
 漆は、ウルシ科ウルシ属の落葉高木のウルシの木の幹を傷つけて採取する塗料です。北海道の垣ノ島遺跡や福井県若狭町の鳥浜貝塚等の縄文時代の遺跡から漆器が出土しており、古くから塗料として使われていたそうです。パリ万博に出品する船が伊豆沖で沈没し、1年半後に引き上げられたが、漆製品は全く傷みがなく、現在も提示されているそうです。(京都近代博物館で現物を見ました)紫外線には弱いけれども、酸やアルカリにも強く、優れた塗料で、150年はもつということでした。
 日本で使われる漆の97%は中国(雲南省)からの輸入で、丹波地方の漆産地の保存活動のお話もありました。うるし掻きの方法は、一年で樹幹の全体に傷を付け、うるし液を採り切り、その後木を切り倒してしまう「殺掻き(ころしがき)法」です。写真はウルシの木と採取用の道具です。
 佐藤さんは大学で農学を学んだ後家業を継がれました。そしてMR漆(三本ロールミル精製漆)を開発し、これを自動車の外装に塗って注目をされたそうです。漆が紫外線に当たると、結合が取れて、粒子が剥がれ凸凹になり光沢がなくなります。MR漆は一般のウルシより粒子径が1ケタから2ケタ小さいサブミクロンの大きさなので、剥がれても光沢が落ちにくい特徴があります。7年間計測を続け、12μm/年被膜が減少することがわかったそうです。漆が固まるのは、乾燥して固まるのではなく、空気中の水蒸気が持つ酸素を用い、生漆に含まれる酵素(ラッカーゼ)によって架橋を作る作用によるものです。漆をデータを取って実験し、科学的に調べることにより、様算なことがわかり、その結果をもとに、新しい漆の用途を開発しておられる姿が、とても頼もしく思われました。
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Jissyu
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