かがく教育研究所・ファラデーラボ創立4周年記念企画のご案内
普通の人々のための科学教育を研究することを目指し、「かがく教育研究所」は.、2011年2月19日に設立されました。また、その研究を実践し、科学教育に関わる皆さん(理科教員の方々など)のための、講演・講習施設として、「自然とかがくの学び舎 ファラデーラボ」は、2011年3月12日に設立されました。その前日、3月11日には東日本大震災が発生し、人々の想像を絶する自然の力と、原子力発電所事故に対する、科学技術の脆弱性を目の当たりにしたところです。
あれから4年が経ちました。数十年から数百年の周期でくり返す,巨大な自然災害。大量に原子炉から放出された、半減期30年で放射線を放出するセシウム137という放射性物質。4年という時間は、人間にとっては長い時間ですが、自然の尺度から見れば、わずかな時間にしか過ぎません。20年前の1月17日には、阪神・淡路大震災があり、多くの尊い人命が失われ、家、鉄道、水道、電気、ガスなど、私たちの暮らしを支えている物が破壊されました。この地震は想定外の物ではなく、かねてから発生が予想されており、危険性を指摘する報告書が行政に提出されていました。この報告を元に、適切な施策を実施していれば、犠牲や損害は最小限に抑えられていたと思われます。
私たちは普通、一人の人間の尺度でものを考えます。しかし、それは自然の尺度のわずかな部分にしかすぎません。記憶は人生80年程度で消えますが、人が記録すれば、数百年、数千年前のことを知ることができます。それ以前の出来事は、断層や、化石、地形など、自然の中に明確に記録されています。その記録は,人間の言葉ではなく、自然の言葉で書かれています。私たちは、自然の言葉を読み取らなければなりません。「天災は、忘れた頃に来る」というのは、大正12年(1923)45才の時に関東大震災に遭遇した、寺田寅彦の言葉と言われています。地震は周期的にくり返します。人の尺度を超えて、自然の尺度で自然を観察し考えることにより、人は知識を手に入れ、役立てることにより、安全で豊かな暮らしを手に入れてきました。これは「科学的に考え行動する」ことであり、合理的に考え行動することです。しかし、身の回りから自然が見えにくくなっている現在、人は、「合利的」に考え行動することの方が多くなっていると思われます。「利」はなく、「「理」に従って考え行動することは、最終的には「利」につながるのではないでしょうか。
この4年間で、ファラデーラボは58回のかがくカフェの他、毎年度、夏の学びや、クリスマスレクチャー、周年記念行事を開催してきました。それに対して、地中で成長するセミの幼虫のように、かがく教育研究所は、牛歩のような営みを続けてきました。かがく教育研究所は、この4周年記念企画を区切りとして、体制を整え、情報を発信し、形の見える活動を目指していきます。
これまで支えてくださった方々のおかげで、4周年を迎えることができました。 心より感謝しております。これまでの活動を振り返り、これからの活動を明確にし、ご支援いただいた皆様への感謝を込めて、創立4周年記念企画を実施します。ご参加いただきますよう,お願いいたします。
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かがく教育研究所・ファラデーラボ創立4周年記念企画
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コメント
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4周年おめでとうございます。
時間が許せば参加したかったのですが
予定を入れてしまっていて参加できません。4月の太陽熱には行かせてもらおうかと思っています。
私も、博物館やっていますが行事を持つのはとにかく大変ですね。でも、継続こそ命と楽しんでいます。ファラデ-ラボの一層の発展をお祈りしています。
投稿: 木戸 久裕 | 2015年3月 5日 (木) 18時20分